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先日山間の村から人鳥の被害報告を受けた騎士団が、増え過ぎた人鳥を人里から遠ざけたらしい。
その際大人しく逃げ去った固体は良いとして、気性が荒く率先して村を襲っていた数体は討伐する事となった。
騎士団の指揮をとっていたルーファスは最後の最後にぬかるみに足をとられ人鳥から背中に一撃受けたが、そこまで深い傷ではなかった為同行していた女騎士のマントで止血し、昨日無事帰還し任務を終えた。
しかし、背中に傷を受けてからどうにも息苦しく、街に戻ってすぐ騎士団のかかりつけ医に傷を見せた所、突然首をしめられた様な呼吸困難に陥り死に掛ける事態に陥ってしまった。
医者が手を尽くし対処したが原因が分からず、たまたま連れ添っていた女騎士がルーファスをベッドに移動させようと自身のマントでルーファスの体を包んだ所、何故かほんの少しだけ呼吸が安定した。
その場に居た全員が何かがおかしいと判断し、呼吸が安定する条件を模索した結果が今のこの姿だと言う。
「話をまとめると、症状としては『女装していないと死んでしまう呪い』と言う事、ですか……? 何と言いますか、初めて『全身がぬめって動けなくなる呪い』に匹敵する希少な物を見ました」
「笑いたきゃ笑え。昨日から散々笑われて……」
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