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当たり前だが、騎士を生業とするルーファスはお世辞にもドレスが似合う様な華奢な体つきはしていない。
そんなルーファスがきっちり女装などしていれば、それは騎士仲間からしたら面白くてたまらないだろう。
男の矜持を見事に打ち砕かれたルーフェスは、思い出した様にまた俯き落ち込み始める。
ラヴィーネは棚から無造作に丸めた羊皮紙を取り出すと、たった今聞いた情報を記していく。
少し悩んでは書き進め、また悩んでは続きを記していくラヴィーネをぼんやりと眺めていたルーファスは、ラヴィーネの作業が終わるまで店を見て暇潰しをする事にした。
今は解呪屋などしているが、元々魔法使い用の雑貨店だった事もあり、店にはどうにも他では見られない物ばかり置かれている。
入り口を入ってすぐの戸棚には、色とりどりの瓶に入れられた仄かに発光するきのこや花が置かれ、その下のカゴには無造作に何らかの生物の物と思われる爪や鱗などが投げ置かれている。
更に見渡せば瓶に入れられた妖精ピクシーや、無造作に一括りにされ吊るされているマンドラゴラ等、薄暗い店内にはまさに魔法使い以外お断りと言った物が所狭しとひしめいていた。
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