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『!その瞳は…』
「?………っわ!?」
ケルベロスが突然叫び出す。
地が揺れ、草がガサガサと音を立てる。
「いきなりどうしっ…」
『…許せ』
「っ…ぁ…」
鋭い爪が腹を突き抜けている。
なんでいきなりこんな…
"その瞳は…"
あぁ、なんだ…そっか。
君も気持ち悪いって思ったのか。この瞳を。
たしかにおかしいよね…銀色なんて…
「!―――!」
なんだか騒がしい。
『グルルッガァアッ』
うっすらと見える景色に驚愕する。
人らしきモノに攻撃されているケルベロス、
ごうごうと燃えている姿にはっとする。
「だめ…!」
ずきずきと腹が痛む。
そっと地面から起き上がって腹を見るとかなり抉れている。
よく死なないな僕。
『…また会えるとよいな』
ちらりとこちらに目を向けてそう言い、ケルベロスは森の奥へ逃げていく。…あぁ、なんでそんなに悲しそうだったの。
……もしかして、近くに人がいるのわかっててやったの?
僕が森の奥へ行こうとしたから?
……守ってくれたの、かな。
あ…なんだろ、すごい眠たい……、…ちょっとだけ………
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