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「…ねえ、あなたぁーん…
結婚式、だけどぉー…」
ここは雅無陀羅大学の昼下がりの学食で、
決して我が家の夜のベッドの中ではない。
今日は半大学生半タレントの御陵詩暖もいるので、
オレの妻である安藤麗子が
恋のライバルである詩暖に挑戦的なことでも言ったのかと思ったのだが、
麗子にそんな思惑はないようだ。
ただただ思い出したので、少々妖艶度満載で今言った、
というだけのことのようだ。
麗子の意思を知ってか知らずか、詩暖は麗子を睨みつけた。
「そうだな、一生の記念だからな。
源次、手伝い頼めるか?」
「ああ、いいぜぇー!
アンタのことだから盛大に…
とはやらないんだろうが、大勢呼ぶんだろ?」
源次はオレの同業者で仏名を孔雀明王という。
しかもさまざまな弊害があり、大先輩なのだがオレの弟子となっている。
「できればこの学校でやりたいと思っているんだ。
だが知っての通りこの学校に休みはない。
邪魔をしないようにすれば許可してくれるんじゃないかなと思ったんだよ。
それも含めた手伝いだ。
当然、空手部という強い味方も大勢いるけどな」
麗子がオレにこれ見よがしに笑顔で拍手をしている。
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