頬をつたう

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「なあ、晴翔はどうする?」 「え?何が?」 「あれ?晴翔のとこにも連絡来ただろ?」 大学の学食で昼食を摂っていた河沖晴翔は、向かいに座る幼なじみの健佑の言葉で現実へと引き戻された。 窓の外に見える新緑のざわめきが、あの時の彼女の心のざわめきを思い起こさせるようで、晴翔は記憶の中に意識を向けていたためだ。 しかし、無邪気な表情でこちらを見つめてくる健佑の瞳を見つめている内にある出来事に思い至った。 「あ、中学の同窓会のことか・・・・・・」 「そうそう。今週中に返事しなきゃいけないからさ、どうしようかと思って」 「どうしようって、健佑行かないのか?」 「いや、それがさ、バイト都合つかないかもなーって。人員補充されてなくてさ」 「なるほど」 晴翔は正直同窓会のことを気にしていなかった。 彼女は来ないだろうと思っていたからだ。 でも、健佑が行くなら行ってみようとも思う自分がいた。 「店長に相談だけでもしてみよっかなー。やっぱり行ってみたいし、全然会えてない人もいるし」 「そうだな」 『全然会えてない人』 その健佑の言葉に晴翔は再び彼女のことを思い起こした。
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