頬をつたう

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「そうだ、私、懐かしい写真とか持って来たんだー」 そう言って同窓生が小さなアルバムを取り出した。 そこに写っていたのは、学校行事の時のみんなの姿。 体育祭や文化祭をはじめとする行事に、夢中だったみんなの真剣な表情や楽しそうな顔。 スポーツやコンクールではどうしても勝ち負けなんかが存在していて、それに喜ぶ顔や悔しそうな表情も見て取れた。 そこでまた晴翔は彼女のことを思い出す。 彼女は2年の冬に引っ越してしまっていたが、写真にはその姿が写っていた。 はちまきを巻いた彼女は晴れやかに笑っている。 でも・・・・・・。 あれはそう、体育祭の時だった。 他のクラスと優勝を競っていたが、確か応援合戦があって、そこで1番を取れなかった晴翔のクラスは、結果優勝を逃した。 それでも、また来年がある。 そう思い直してみんな校舎に戻ろうとしていた、その時のことだった――――
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