頬をつたう

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――――― 「ごめんねぇ、私がもっと上手く盛り上げられてたら・・・・・・」 「そんなことないよー、千明ちゃんは頑張ってたよー」 「そうだよ」 女子のリーダーをやっていた子が、優勝できなかったことを自分のせいだと責任を感じていたようだった。 それを周りの友達がなだめていた。 一生懸命だったその子の気持ちは「みんな分かっている」と、友達が声をかけていたが、それでも自分の中で納得がいかないのか、男子たちのことも気になっていたのか、しばらくその子は泣くようにしていた。 悔しそうにしている子や、精一杯頑張ったと思って気持ちを切り替えている子、元々少し冷めたような反応をしている子など色々な子たちがいたが、晴翔はあの彼女に目が留まった。 いつもならリーダーをやっていたその子の近くで声をかけているだろう彼女が、自分と変わらぬ距離を置いて、その様子を見ていたからだ。 それも何の色も見受けられない表情で。 でも見えない涙が流れているようで。 そんな時だった、彼女の声が、言葉が、晴翔に届いたのは。 悲しいなんて、知らないくせに―――――
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