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ある日家に帰ってきたご主人はいつもと違い、何か大きな箱を持っていた。
「タマ――――――」
やっぱりタマ以外の言葉は理解できない。
ご主人はその大きな箱を僕の前に置いた。
――カサッ、
箱の中から音がした。
そこで僕は気づく。
――箱の中にナニかがいる。
僕はそのナニかを見ようと箱に近づく。
しかし、ナニかは箱の奥にいるようでちゃんとは見えない。
見えないけど、もしかしたら――――
そんな思いが膨らむ。
僕はご主人に目線を向ける。助けを求める目。
そんな僕の思いが通じたのか、ご主人はその大きな箱を開けてくれた。
僕は期待をしながら、箱の中へと入っていく。
そしてそこにいたのは、僕と同じ大きさくらいの小さなナニか。
――やっぱり。
やっと会えた。
僕は心の中で喜びが溢れ出していた。
「…………にゃー」
僕はドキドキしながら話しかけた。
――キミもタマだよね、と。
だけど、
「…………」
何も反応してくれない。
もしかしたらキミもドキドキしているのかもしれない。
僕はキミにだんだんと近づいて行った。
すると、
「――――――ワンッ!」
――――――――びっくりした!
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