第1章

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 京都の街の一角に、小さな看板が出ている。街の外観に溶け込むような茶色い板に黒い文字で『安倍医院』と書かれている。  表通りに接している外来棟は、2階建の和風建築の外見の割に、内側は近代的な設備が整っている。  病床数は、25。医師は、3人から4人の小規模な病院である。  専門は、外科と内科、耳鼻咽喉科。  それから――  その手の関係者以外は読むことのできない『あやかし科』が存在する。  そう。  あやかしだって怪我もするし、病気になるのだ。 ・
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