第4章 天使にはしっぽがある(から、引っ張って抵抗した)

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神さまの書斎で、神さまの右腕と言われている大天使が、長いしっぽをゆらゆらさせながら、神さまと会話をしていた。 大天使の、長いしっぽの先についた鈴がシャラン、と上品な音を立てた。 あの小さな猫は真面目に働いているかと、神さまは大天使に尋ねた。 大天使は、お団子屋でアルバイトをしているそうですと神さまに告げた。 神さまは長いあごヒゲを捻りながら、ふぅむ、と言った。 目を離すとすぐに脱走をしようとすると、報告が上がっていますと、大天使は言いながら、神さまの顔色を伺った。 よろしいんですか?このまま彼に本当のことを告げなくてと、大天使は尋ねた。 何のことかねと、神さまは大天使の方に目を向けた。 大天使は、続けた。 彼の今回でのポイントは、脱走しようと何度もしたお陰で、残り僅かです。しかし...、 彼は、猫以前で、多大な功績を残しています。 彼があの勇士の生まれ変わりだなんて、未だに信じられません。 彼の貯蓄しているポイントを使えば、今すぐにでも次の輪廻に移ることが出来るということを、告げなくて宜しいのでしょうか。 大天使が聞くと、神さまはテーブルに置かれたコーヒーカップを持ち上げながら、ニヤリと笑った。 なぁに、焦ることはないさ。たまにはコーヒーブレイクも必要だからね。 彼には、この次にこそ頑張ってもらわないといけないんだ。 あの娘とも、嫌でもこの先ずっと一緒にいなくちゃいけないんだ。 少なくとも1000年ほどはね。 たまには、少し離れてみることも大切だよ。 そう言って神さまはコーヒーをゆっくり啜った。 (終わり)
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