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「山田ぁ、何かつまむかぁ?」
「あの……」
「なんだよ、山田ぁ??さっきからもじもじしやがってぇ……山田らしくないなぁ……全く山田ときたら……そんなんだから山田はさぁ……」
「それなんですけど……!」
僕は、できる限り声を張って、彼の話を止めた。それから、ふうと一息ついて、僕は彼に質問した。
「あの……変なこと聞きますよ?」
「おお、なんだ山田ぁ?」
「うん。それなんですけど……僕は、山田ですよね?」
しばらくの沈黙の後、彼はまた臭い息を吐いて笑った。
「はぁ~どうしたぁ??なんだよ、もう酔っちまったかぁ??」
ガハハハと笑うその声は、相変わらずよく通る声だった。
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