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どうしたもんか……
会ってから結構時間経っちゃってるけど、
やっぱり『人違いです』って正直に言うべきか……
そう考えていると、黙っていた彼が突然口を開いた。
「お前にまた会えるなんて……俺、いますぐ死んでもいいくらいだよ……」
僕は、そのセリフに泣きたくなった。
もう絶対言えないじゃん……!
山田太郎さん、どんだけすごい人なんだよ……!
そして、思わず頭を抱えた。
泣いちゃうくらいだし……
そんだけ大切な人ってことなのかな……?
もう一回、彼を見る。
まだ泣いている。
僕は、固く目を瞑り、そして腹をくくった。
「小林……泣くなって!」
僕は……今日だけ山田太郎です。
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