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「あい!生ふたつ!」
店員の威勢のいい声が店内に響く。
「ほら、小林!飲むぞ!」
僕、山田太郎は、促した。
彼、小林虎太郎は、目を腫らしつつグラスを持った。
「いつまでそんな辛気臭い顔してんだよ?
酒がまずくなるぞ?」
それを言われた小林は、また泣きそうな顔になった。
「だから泣くなって!楽しい飲み会の席だろ?」
小林は、うんと頷く。
「お前に誘われたときめちゃくちゃ嬉しかったぞ?な、とりあえず飲もう?」
小林は、その顔を両手でバシバシと叩き、満面の笑みを作った。
「おう!悪かった!」
僕たちは、グラスを持ち上げた。
「よし、じゃあ改めて……」
「「乾杯!!」」
グラスは、とてもいい音を立てた。
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