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はぁ……
どっと疲れた。
あれから小林とかなり長い時間喋った。幸いなことに、僕らは同業者だったため、話題に困ることはなかった。
僕らは、ざっくり言うとロボットを作る会社に勤めている。
……僕は、今日退職したから正確には勤めて『いた』だが。
だから、最新のロボット事情とか、部品の話、工学部あるあるなど……僕にとっては初対面の人だけど、喋っていて楽しかった。
小林は、ぐうすかと寝ている。
いい顔だ。
ちょっとは人のためになっただろうか……
小林の寝顔を見ながらそんなことを考えていたとき、僕の視界は彼のバッグをとらえた。何やら分厚いファイルが入っているようだ。
僕は、単純に気になった。
最初は人のものを盗むようで気が引けたものの、気付けば自然と手が伸び、それを取り出していた。
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