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 普段ホラー映画でビビる彼女が、「このホラースポットに行きたい」と言ってきたのは、ある夏の日の事だった。  珍しいなと思ったが、彼女が行きたいと言ったのなら、彼氏として連れて行かないわけにはいかない。  その約束の日曜日がやってきた。  俺は心に違和感を抱えていたが、彼女の姿を見ると、そんなことどうでもよくなった。 「よし、行こうか」  彼女は頷き、俺の手を握らずに駅のほうへと歩いていく。  デートなら、いつでも手を握っていたのにな。  俺は彼女の変な行動を不思議に思いながら、その背中を追いかけた。
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