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 トンネルの中には、当然のことながら人の気配が一切ない。  そしてあまり整備されていないのだろう、壁のコンクリートはところどころヒビが入っている。  中には剥がれてしまい、地面に散らばっているものもあり、ホラースポットとしては充分すぎる雰囲気だ。  トンネル内には俺たちが持つ懐中電灯の明かりだけがチラチラ見えるだけ。  ふと足下を見ると、昨日の雨のせいで地面はぬかるみ、靴には泥がこびりついていた。  また今度、新しい靴を買わなければ。  俺はそんなことをぼんやりと考えながら、彼女の後ろを歩く。
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