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 俺と【スミレ】が出会ったのは一年前、繁華街の中だった。  レンガ造りの壁にもたれるその姿に見ほれて、俺は「スミレ」に声をかけた。  そして俺たちは、一夜を共に過ごしたのだ。  たった、それだけの関係。  たった、それだけの関係だったはずなのに、半年前、急に俺の元を「スミレ」が訪ねてきたのだ。  俺はその頃から、【彼女】と付き合っていた。  だから、【スミレ】は邪魔だったのだ。
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