ファンタジー世界のお約束

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「いつか、ユーリ様はモフモフの為の世界を造りだしそうで怖いわ」 「セティー、本当になりそうだから止めて」  いくら何でも、世界の創造は流石に無理でしょう。  ……亜空間広げたら出来る?でも、生き物が入らないから無理ね。 「ユーリ様、獣人は全員移動しました」  思考に沈んでいたら、騎士が移動の終了を報告してくれました。 「ありがとう。私達も行きましょう」  境界を抜け国境に出ると、先に移動した獣人さん達が国境警備の兵士と話していました。 「あっ、冷血姫様!」  私に気付いた門衛さんが、跳んできて土下座をかましました。 「前方抱え込み四回転一回捻り……また進化しましたね」  この門衛さんは、どこまで進化するのでしょう。ちょっと見届けたいです。 「ありがとうございます。私もパナマ王国に移住させてもらえる事になりました」 「この方は同胞を匿ってくれたそうですからな。当然ですよ」  兵士さんの言葉に、その場の獣人さん全員が頷きました。義理堅い人達です。  門衛さん一家と獣人さん達は、迎えの馬車に分乗し去っていきました。 「ユーリ様、今回も無事に送り届ける事が出来ましたね」 「あんなに義理堅くて優しい獣人さんは、保護されて当然よね」  領都の屋敷に帰る馬車の中、ミリーの耳をモフりつつ上機嫌な私。  でも、領都の屋敷に帰るなりそんな気分は吹き飛びました。
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