次代の担い手

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次代の担い手

「ケント王子の処罰は、先程決めた通りです。それによりケント王子の持つ王位継承権は剥奪されました。これにより、王位継承権第一位の座は、王位継承権第二位を持つ者に引き継がれます」 ここまで説明しても、武官や騎士の中には理解出来ていない者がいるようです。 騎士は兵士からの叩き上げでしょうか。貴族の子息ならば、学園で学んでいるはずですから。 これは平民出の騎士に対する教育を考えなければなりませんね。 「現在王位継承権第二位の保有者はユーリ嬢です。では、彼女の王位継承権を剥奪した場合、誰が次の王位を継ぐのですか?」 数世代に渡り子が少なかった王家には、血の濃い分家が存在しない。 先代の弟君が興された公爵家が唯一のそれでしたが、娘が一人出来たのみ。その娘も一人の娘を産んで逝去してしまいました。 こうなると、呪われているとしか考えられません。 「二百年以上前に入った王家の血を辿り次期王を決めますか?そうなれば他国が黙ってはいないでしょうね」 そんな昔まで遡るなら、他国へと嫁いだ王族と血の濃さは変わらなくなります。そうなれば、過去に我が国から王族を娶った国が権利を主張するでしょう。     
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