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王族が多いと王位の継承で揉め、少ないと継承者の不足が問題となります。子の数なんて人の意思でどうにかなるものでもないし、頭の痛い問題です。
「しかし、だからと言って獣人を助け国の方針に背いたユーリ嬢に罰を与えないのは……」
「国の方針には背いたかもしれませんが、国の利益には多大な貢献をしてくれましたよ?」
国に背いたのに、国に利益をもたらしたという一見矛盾した内容に、文官まで首を捻っています。
「獣人差別を続けていたら、オタル王国が攻めてきた可能性が高いわ。そうなればパナマ王国も同調したでしょうし、獣人に好意的な国はオタル側に立って参戦したでしょう」
「王妃様、それは仮定の話です。国力が落ち、国境も我が国が抑えている以上オタルが動くなどあり得ません!」
文官の一人が叫びました。確かに現状を分析した結果はそれで正しいのですが、彼は大事な事を忘れているようです。
「確かにその通りです。では冒険者ギルドを潰し、その本部があったオタル王国の国力を低下させ、オタル王国の落ち度を的確に突いて国境を譲渡させたのは誰であったか覚えていますか?」
当然の事ながら、ぐうの音も出ないようです。では追撃といきましょう。
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