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「彼女は、交渉でそれだけの事をやってのける才女です。王族籍を抜き、一貴族となればパナマ王国へと嫁ぐでしょう。彼女を相手にして、互角の交渉が出来る文官が我が国にはいるのですか?」
幼い頃からあれだけの事をやってのけたユーリちゃん。彼女と互角だなんで思い上がる愚か者はいないようです。
「それと獣人差別の方針ですが、これは廃止します」
長年続けてきた方針の転換が信じられないのか、全員が陛下に注目しました。
「王妃の言う通りだ。我が意思として、獣人に対する差別は一切禁止することにする」
「陛下、そのような重大な決定を我らに相談もなくされるとは!」
重臣の一人が強い口調で叫びました。他の重臣も彼と同じ気持ちでしょう。
「獣人蔑視を唱えていた光神教も、今は壊滅に近い状態だ。虐待するのが当たり前と教えられてきた我らの世代には受け入れ難いであるうが、次代を担う者達はどうであろうな?」
「遠慮は要りません。思うがままを話なさい」
いくら陛下が話せと言っても、こんな場に初めて来た若者達は話すことは出来ないでしょう。なので私からも水を向けました。
「私は獣人などユーリ様の従者しか見たことがありません。なので、虐待をする気はありません」
「私は昨夜初めて見ました。だから虐待しろと言われても現実感がありません」
「僕もです。話にしか聞いたことがありませんから、興味ないです」
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