本編

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「俺が悪い?俺のせいだぁ?ふざけんなよお前ら!みんな楽しんでやってたろ!昨日のことだって、みんな賛成して考えたことだ!俺だけを悪者扱いするな!お前らみんなきょーはんなんだぞ!ふざけんな……ふざけんなっ!!」 紘は興奮の余り息を切らした。 これだけ吐き出してもまだ足りない。 まだまだ、怒りは収まらない。 ふざけるな。ふざけるなよ。 俺だけが悪いんじゃない。みんな悪いんだ。 俺のせいじゃない。ちがう。俺は悪くない。 悪いのは神谷だ。 神谷が悪いんだ。そうだよ。アイツのせいだ。 アイツが殺人犯なんかに襲われたりするから、だから俺がこんな目に…。 くそ。くそっくそ! とその時。 教室のドアが開き、担任が入ってきた。 酷く慌てた様子で、涙ぐんでいる。 担任は教卓の前に立ち、生徒たちに席に着くよう促す。 全員が席につき、再び場が静寂に包まれた頃、担任は感極まり涙を零しながら重大な事実を告げた。 「………っ……、…神谷……さんが……、神谷、純子さんが…っ……たった今、亡くなりました……!」 -------- 「思い出したみたいだね」 少女の抑揚のない甘ったるい声に、紘は一気に現実に引き戻された。 少女はにこり、と笑いかける。 紘は震える声で問う。 「……だ、誰だよ………お前……?あの時の、クラスメート…?まさか、まだ俺のせいだって復讐に…!?」 少女は一瞬間を空けふぅ、と息を吐くとす、と立ち上がった。 靴音を響かせ、紘に歩み寄る。 「やっぱりわかんないか。わたしだよ、あなたのことが大好きな。覚えてるんでしょ?わたしがラブレター渡したこと」 少女は頬を赤らめ、腕を後ろに組み若干上目遣いで問い掛けた。 その瞬間、紘の脳内に全く予想もしなかった…いや、出来なかった人物像が浮かび上がる。 そんな筈はない。ありえない。 頭では必死に否定していても、口が勝手に少女の名を呼んでいた。 「……み……た、に……?」 少女の顔が煌々と輝き出す。
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