失恋

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学校に着くと、今日も朝の放送が鳴っていた。 ナレーターを担当するのは、同じクラスの智弘君。 1年生の頃から、この声に憧れていたんだよね。 「おはよう、渚。」 後ろを振り返ると、友達の花菜が立っていた。 「おはよう。」 「今日も智弘君、いい声してるね。」 「ね。」 花菜は、私が智弘君に憧れている事を知っている、数少ない友達。 「そう言えばさ、この前の反響、あった?」 「ない。」 「うっそぉ。」 実は智弘君には内緒で、放送部に何度もファンレターを送っている私。 その中で、「悩みを聞いて」コーナーで、憧れの人に告白するか迷っているんです、って書いて送ったら、それに対して智弘君が返事をくれたんだよね。 「勇気を出して告白してみよう!頑張れ!」って。 もちろん、お昼の放送でだけど。 さり気なく、私の名前も智弘君のファンだって事も、書いていたんだけどな。」
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