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そして、下駄箱周辺で朝の放送が止まった。
「放送が終わったって事は?」
「遅刻ギリギリ!?走るよ、花菜!」
私達が廊下を走っていると、向こう側から、放送部の智弘君達がやってきた。
何気なく、智弘君と目が合う。
ドキンとして、下を向いた時だ。
智弘君が、私の隣に来た。
「鈴木、遅刻するぞ。」
「うん。だから、走ってる。」
やったぁ。
智弘君から、話しかけて貰った。
「どっちが先に着くか、競争だ。」
「待って。」
その時の私は、花菜の事をすっかり忘れて、智弘君との二人の時間を、楽しんでいた。
そう、楽しんでいたはずなのに……
「渚!もう少し!」
その内に花菜にも、智弘君にも置いていかれ、結局遅刻は私だけ。
朝礼の時に廊下に立たされ、智弘君に笑われる始末。
今日は、最悪の日だ。
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