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~プロローグ~
物語の舞台は吉祥寺 度々テレビ・雑誌等でも
紹介され住みたい街No.1にも
幾度となく選ばれているオシャレで住みやすくクリーンなイメージが一般的であろう。
そんな街のダークサイドとでも言えようか
JRの北口を出て駅前交番を背にし
ガードレール沿いを進むとその世界は広がっているキャバクラ・風俗などの店が
狭いスペース広がり夜になると
ガードレール沿いと店が並ぶ通りには複数の黒服姿の客引き達が佇んでいる。
遊びそうな通行人に眼を光らせ吸い寄ってくるその姿はまるで、ゴミに群がる鴉(からす)
此れはそんな鴉達の物語。
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『さっ!お客様
キャバクラのご利用いかがですか!!』
溌剌とした少し甲高い声が
ネオン街の路上に響き渡る。
その声の主は男性にしては小柄で
ヒョロとした体格と童顔も相まって
一見高校生くらいにも見える青年だ。
彼は満面の笑みで
中年の6人組の酔っ払ったサラリーマン風の
集団にそう声を掛けた。
すると集団の中のボスであろう男が耳を傾けて立ち停まると口を開く
『にぃちゃん!
良い店紹介してくれるんかい!?』
青年は口の広角を上げたまま、
真っ直ぐ目を見つめ
少し悪戯にそれでいて爽やかに
彼は慣れた口調で台詞を吐く
『はい!僕はこの歓楽街の支配人ですから。』
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