四羽鴉の葵

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思わず大きな声のボリュームで慌て蓋めいた 『あ~...これちょいと階段からこの間コケちゃたんすよ えへへ』と、京介はおちゃらけてみせていたが一瞬だが表情が曇ったのを俺は見逃さなかった。 その後も今日まで仕切りに京介に痣の事を問い質したがはぐらかされしっかりした返答は返って来てない。 これはあくまでも俺の推測で確信はもてないが 痣はきっと店の人間の誰か1人か複数の人間から暴行を受けている可能性が大きいと踏んでいる。 京介の所属している店は【CLUBライオネス】というセクキャバだ。 まぁ解り易く言えばおっぱいパブ通称おっパブと呼ばれる店で働いているのだが、俺とは全く異なる系列グループに属している。 京介が所属している【トランスグループ】は吉祥寺を拠点にセクキャバのみで全4店舗を展開していて 吉祥寺のセクキャバ シェア率70%誇る企業だ。 社長は 崎山 塁 (さきやま るい)正確な年齢は不明だけど30半ばくらいで表向きの顔は誰が見ても爽やかでお洒落な青年実業家。 しかし、その表の顔からは想像できないし俺も俄かには信じ難いが群馬の有名な暴走族の元総長で、下積み時代のボーイの頃は背中に彫ってある般若の刺青をよく見せびらかし耳と顔中ピアスだらけで金髪ロン毛だったそうだ。 それを象徴したかのような企業スタイルで体育会系なノリで超軍隊教育 4店舗殆どの従業員はチンピラ紛いのそれぞれ地元では有名な元不良ばっかり。 そんな奴等に恐怖と敗北感を与え続け教育という名の元に制裁をして抑えつけ絶対服従させ束ねているのが崎山 塁という男である。 そんな環境の中この京介がストレスの打つけど頃で業績の悪さを理由にイビられ暴行されてても不思議ではない。
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