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1週間がたち、2週間がたち、少しづつ自分が変わってきているのを感じる。
僕の心が孤独に慣れてきているのを感じる。
今まで恋人とデートしていた時間で、僕は本を読み、日記を書き、ゲームをし、友達と会い、したことのない経験をして行く。ポーカー、python、ルベーグ積分、政治、確率統計、推理小説、医学、世界経済、いろんなものを学んでいく。
そうやって彼女の喪失によってぽっかり空いた心の穴に、ぴったりはまる何かを探そうとする。前のようにズキズキと痛むことは少ないが、それでも感じる違和感。痒みに似た感覚。一瞬の快感や、悲しみや、学びによって、心を誤魔化し違和感がなくなったように感じさせることが出来る。違和感は一瞬去り、また戻り、僕は新たな何かを求める。
そして、僕はこの穴が塞がることのないことをはじめからわかっている。愛でなければ、埋まるはずがない。僕の孤独感が愛以外で埋まるはずがないのだ。
それでも僕はこの穴を塞ぐ振りをしながら、放っておく。勉強しているとき、友達と遊んでいるとき、起きたとき、あるいは夢の中で、僕はそよかぜのように寂しさが肌に触れるのを感じる。かつて僕のもとにあった他人の心の温かみを思い起こし、ごくまれに僕は涙を流す。そういう時は慌てないで深呼吸を市、また心の穴にはまる何かをゆっくり探し、その過程でいろいろ学んでいく。僕の飢えは、僕を強くしてくれる。
愛がない限り、僕は強くなり続けることが出来る。
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