縁の管理人 第1章

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「ふう……、とりあえずはこれで大丈夫かな?」  少年の体は外気ですっかり冷え切っていた。少年を離れへ運び込むと、溶けた雪でびっしょりと濡れた上着を脱がせ、 自分の布団に寝かせることにした。部屋の暖房と布団とで、少しは体を温めることが出来るだろう。 (服が濡れてなかったのは助かったな。流石に寝てる男の子の服を着替えさせるなんて出来ないし) 「ふわあぁ……」 「清、眠いの?」 「そうだね……」  他に何をするべきだろうかと考えていると、清が大きな欠伸をした。目をこすりながら、体を元の小人サイズへと戻す。 「少し疲れた。……寝る。おやすみ」 「え? う、うん。おやすみ」  言うが早いか、少年の枕元で横になると、清はスヤスヤと寝息を立て始める。 (体の大きさを変えるのは、負担がかかるのかな。だとしたら悪いことしたな)  今まで清がその姿を変化させたところを見たことがない。そうすることで、体に負荷がかかるために控えていたのだとしたら。そう思うと、自分一人で少年を抱え上げられないが故に彼女に無理をさせてしまった、と申し訳ない心地になる。 「ありがとう、清。おやすみ」  その頭を指先で軽く撫でると、私は部屋を後にした。     
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