縁の管理人 第1章

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「う~っ、寒い」  外に出ると、冷たい風が肌を刺した。いかに天気が良くとも、日の当たらない日陰にいては、体はすぐに冷え始めてしまう。日向を見つけてストレッチを始めると、清が顔を覗き込んできた。 「今日はどれくらい走るつもりなんだ?」 「うーん、そうだなぁ。走り込み自体久しぶりだし、軽く境内を何周か、って感じかな」  境内の敷地自体はそれほど広くはない。一周の距離は短いが、回数を重ねればそこそこの走行距離になるはずだ。  けれど清は私の答えに満足していないのか、うーん、と唸る。 「せっかくだから、山道に出たら? 巡回も兼ねてさ」 「巡回って、山に何かあれば木霊が知らせてくれるんでしょう? する必要ある?」     
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