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報道機関の者ですが、リップスに加わります!
ナバス・クルクが二人に問うた。
「何だって? マスコミの人?」
イプス・カイザルがぶっきらぼうにつぶやいた。
「取材なら、許可とってもらわないとな……」
長老、セペル・チェルダードが断言した。
「うむ、まあ、ビザリーニューズ社なら、信用はおけるが……」
ディレクター、ジョマ・グリシアが詫びた。
「ビザリーニューズ社の報道部門のディレクターで、ジョマ・グリシアと言います。ちょっと昔に兵役があって、空軍に3年在籍していたものですから、このバトルシップに興味が……」
ナバス・クルクが言った。
「だからあんなに詳しいんだねー。おじさん」
ジョマ・グリシアが反論する。
「だから、誰が何と言おうとお兄さん! おじさんじゃない!」
セペル・チェルダードが訊いた。
「で、そちらの彼女は何か? アナウンサーかルポライターか何かか?」
ラルタ・ニーナが答えた。
「そうね、そんなところ……なんでも、珍しい大型のキャラバンがメルグヴィッツ空港に来るから、取材させてもらおうと思ったの。わかる?」
クルク・カイザル・チェルダードの3人は、ひそひそ話し合っていたが、やがて結論が出た模様だ。チェルダードがマスコミ2名にこう言った。
「まあ、秘密を知られてしまった以上、帰すわけにはいかん。とはいえ、うちのPRもやってくれるというから……お前さんがた、船長と副船長にならんか。うちは人手不足でなあ……」
グリシアが驚嘆する。
「な、何ですと!」
同じく、ニーナが驚嘆する。
「このアタシたちに、スタッフううー?」
チェルダードは、さも当たり前のように返答する。
「そうじゃ」
クルクは、嬉しそうに言った。
「あんた、面白そうで気に入った。ここから、スクープをジャンジャン出してよ」
カイザルが、ぶっきらぼうにつぶやいた。
「まあ、悪者ではなかろう……」
意を決して、チェルダードがゴーサインを出した。
「決まりじゃ! 空軍経験者がリーダーに代わって船を操縦する!」
クルクは調子に乗った。
「そして、肩書きは「船長」、なんつって」
カイザルが師匠、チェルダードに質問する。
「じゃあ、ニーナはどうする」
チェルダードは、鶴の一声で決断した。
「んじゃあ、渉外担当。通信担当。これでどうじゃ」
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