第2話 報道記者2名さま、ようこそリップスへ!

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 カイザルはぶっきらぼうに答えた。 「決まりだな」  クルクは仕事が減って無邪気に喜んだ。 「これで働きやすくなるぞー」  チェルダードが最後に命じる。 「そいじゃ、よろしく頼む」  やる気のない、グリシアとニーナ。  二人「はーあ」  なぐさめるチェルダード。 「まあ、そう落ち込むな、ビザリーニューズに従前の給与が出るよう、人材派遣契約を結んでおいたから、安心して働き給え」  不服そうなニーナ。 「はいはい、わかりましたよっと……お膳立てがすっかり整っていたという訳ね……恐るべきリップス!」  昔取った杵柄を思い出して、グリシアが興奮する。 「俺は、空軍時代を思い出して、まんざらでもないがな、バトルシップの船長!」  ニーナは頬杖つきながら溜息をついた。 「はーあ、あなたは呑気でいいわねえ……」      ◇ ◇ ◇  そして、グリシアとニーナには、それぞれの居室が与えられた。  グリシアが、チェルダードに懇願する。 「あのー、船が有事の際には、僕、ここから船の先端まで行かなくてはならないんですよね」  チェルダードが答える。 「そうじゃ。軽く100メートルはあるからな」  グリシアが、再び懇願する。 「お願いがあるんですけども、居室からコックピットまでの往復に自転車をください」  チェルダードが返す。 「面白いことを言う若者じゃ。脚力に自信がないのか? さては……」  グリシアが困ったような顔で答える。 「は、はい……。インドア職業ばかりでしたので……取材を除けば……」  チェルダードが応じる。 「んじゃ、ギャレーに赤い小さな自転車があるじゃろ。それを使え」  グリシアが安堵する。 「ありがとうございます」
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