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その、空から降りて来た、銀色のライト・ムーヴァーは、勇ましく航空母艦に剣を振り下ろそうとしたが、上空でカイザルとリームのムーヴァー二機に腕をつかまれ、行く手を阻まれた。遅れて、クルクが発進し、奇襲ムーヴァーの胴体の真ん中に剣を突き立てた……。やがて、ギンギラギンのムーヴァーは、最後の抵抗をしようとするが、動力炉を破損したと思われ、オイルや冷却液をさんざん垂れ流した上で、もはやもう動けなかった。
勝負は約5分間で、あっけなくリップスの勝ち、だった。
『ニーナさん、仕留めたぜ、あたいらが!』
『結構な力だった』
『とどめを刺したのは僕だけどね』
「よくできました! お姉さん感激!」
何もかもが終わった後で、コックピットに船長と長老が現れた……。
「どうしたお前……」
「もうっ! 船長も長老もしっかりしてよ! 結局、不慣れなまま、スクランブル出動をかけたのは私なんですからねっ! 今度から気をつけてっ!」
「はい」「どうも済まんかった」
武闘派のカイザルとリームが「捕虜」を連れてやって来た。「捕虜」はカイザルやリームに威嚇されたと見えて、気を失って、カイザルの肩でだらりと伸びていた。二人に、クルクが告げた。
「カイザル、リーム、この少年を待合室へ頼む! 外側から鍵をかけて!」
「わかってるって!」
「きちんと閉じ込める!」
……チャタ・ナーディルが目を覚ましたのは、深夜。礼拝も終わり、メルグヴィッツ市民の方々もお帰りになって、一同が夕食を食堂で済ませた後だった。
「ん……んあ? おい! ここはどこだ! ちくしょ、出口……開かねえ……」
ダン! ダン! ダン! ……ナーディルはガラス窓を叩くが一向に開かない。試しに、鍵を銃撃してみた。キィン! と弾かれて自分が危険だった。やがて、前回と同様、ナバス・レマーユが、モニター越しにご挨拶をした。
「お目覚めですか」
「誰だ! てめえは! ビザリナ国教会? 修道女?」
「はあ、まあ、そんなところです。そこで銃を撃つと危ないですよー。跳ね返って来ますから」
「そんなのとっくに体験済みだ! ここはどこなんだ!」
「まあ、そんなことより、あなた、お腹が空いていませんか?」
「……ぐう……ああ、確かに腹ぺこだよ! ファビルシティやリズアーモからここまで何も食ってねえ……」
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