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「それで結構でございます。品物は確かなので、どうぞお納めください」
「はい、キャッシュ。お売りいただき、ありがとうございました」
「どなたか、7570につなぐことが出来る、正規品のビーム砲お持ちの方、おられますかー」
とても忙しい。
コックピットには、カイザルが座っていたが、ラルタ・ニーナと、ナバス・クルクが帰って来たので、カイザルはある事を訊いてみようと思った。
「クルク、あいつ……ファーナの弟はどうした?」
「あいつなら、リームに説教されてた。調教するつもりなんじゃない?」
「面白そうね。気が強い者同士、お似合いなんじゃないかしら?」
「ふうん……そうか……なら、良いんだがな」
カイザルは、納得したのか、また黙った。が、次の瞬間……。
「いかん。オレとしたことが……。キャラバンに燃料を小売りするのを、忘れてた……」
カイザルは早足で廊下を船の下弦へと歩いて行った。
「何で、カイザルまで張り切っているのかしら……もしや、売り上げ競争?」
「そういうこと。船長がおひねりを出すっつーから、みんな張り切っちゃって」
「それでファーナまで、あんなハイテンションだったのねー、欲っちいな……」
「僕も、ジャンクパーツ売りに行きますよ! 稼ぐぞ稼ぐぞ-、それ行けー!」
「クルクまで! やれやれ……さてと、レーダーの監視でもしますかね……珈琲淹れようっと」
コックピットは静かになった。ニーナひとりがレーダーや、気象観測衛星、監視カメラ、メッセージや無線の送受信を行っていた。そこに、レマーユがやってきた。
「あれ、ニーナさん、おひとりですか? 兄はどこへ……」
「クルクかい? クルクなら、売り上げ競争だ、って言って、飛び出して行ったさ」
「私の喫茶店も、在庫が尽きちゃって……食器洗って帰って来ました」
「じゃあ、茶葉とか珈琲とか、この時期アイスクリームなんかも仕入れましょうか!」
「賛成です! あと、カップとソーサーが足りません。食洗機の洗剤なんかも」
「うん、わかった。お姉さんに任せて! こういう時の、人脈もあるのよ」
「人脈ですか……?」
「ビザリー・ニューズ社、セント・フェリーナ支局。ちょっと支局長に電話するわ」
「なるほどー! すごいですー」
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