第4話 第二の首都、セントフェリーナ

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 グリシアが続ける。 「リームちゃんには、特別功労賞として、レーザー反射型、防弾型の赤い甲冑と寸志をやろう」  リームが小躍りする。 「やった! 今までの甲冑、少し古かったんだ! おっしゃ、ありがとよ、船長!」  レマーユが、グリシア船長に申し出た。 「あのー、こんな大金、わたし使うところがないので、お姉様と半分こしたいのですが……」  グリシアが言う。 「そうだなあ、レマーユちゃんの好きにしていいよ!」  がっちり赤い甲冑を決め込んだリームが、レマーユの肩に腕を乗せる。 「さっすが、あたいの妹、よくできてるわー」 「とんでもないです。いつもリップスを守ってくれるのは、お姉様の貢献あってこそです」 「ま、小遣いは多い方がいいからな。ありがたく頂戴するぜ!」  ナーディルが、ちょっと待て! と言った感じで制止する。 「船長……僕のは?」 「うーん、長老、どうします?」 「ナーディル! お前は捕虜という立場を忘れたのか! 黙ってムーヴァーを磨くのだな。まずはその腐った根性から叩き直さねばならぬ! お金はあるのじゃろ? 贅沢を言うな」  長老の、怒濤の迫力に気圧されて、すっかり意気消沈したナーディル。 「はああ……」  ファーナが声をかける。 「ナーディル、おとなしくリームの言うことを聞いてるなら、少し分けてあげても良くってよ」 「ありがとう、姉さん!」  リームがぼやく。 「ちっ、こんな奴、荒野のど真ん中に置き去りにするがいいさ」  ナーディルがかみつく。 「何だとコラ! 甲冑女!」 「何だとてめえ! ま、待ちやがれ! 逃げても無駄だ!」 「こっちまでおいで、ベロベロバー!」 「こんのクソガキが! 待てー! 後でムチでしばいてやるからなー」  取り残されたみんな。クルクがつぶやく。 「あーあ、行っちゃった。リームを敵に回すとキケンなのに」  レマーユがつぶやく。 「新品の甲冑を差し上げて、私の報奨金を半分こにしたいのですが……」      ◇ ◇ ◇  レマーユが、ファーナに廊下で声をかけた。 「ファーナさん、今日は髪型変えました?」 「そうよレマーユちゃん。基本的には変えていないけど、カチューシャのところに、エクステ風にこうやって」 「そう……可愛らしくて羨ましい……私なんか、ずっとこの修道女スタイルでしょ? 退屈しちゃって……」
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