第4話 第二の首都、セントフェリーナ

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「あら、それはそれで可愛らしいわよ。なんか、永遠の思春期みたいで、つややかな黒髪! 素敵じゃない!」 「え、永遠の思春期ってファーナさん……思春期……ううむ……」  リームが、二人に声をかけた。 「よっ、ファーナにいもうと! おっす! おまえらお洒落だなあ! あたいは、さっき甲冑磨いてきた!」 「……ザリガニ?」 「……ロブスター?」 「ひどい! こいつら失礼!」  ニーナが、こちらに向かって歩いて来た。 「あらまあ、今日も立派な甲殻類ね、リームちゃん!」 「今度は甲殻類か……ろくな言われ方しねえな……」 「ねえねえ、ファーナちゃんにリームちゃん、レマーユちゃん! 今夜は女子会と洒落込まない? その前に、リームちゃんを女っぽくドレスアップしましょう!」  二人「賛成ー!」 「ちょっと待って、ニーナさん! あたいは、そのー。甲冑脱ぐとあまり逞しくないんで、遠慮しときます」 「何言ってんの! ドレスアップとはいかないまでも、そのザリガニファッション、時には変えてみない?」 「じゃあ、決まりね! まずはその紅く染めた髪の毛から処理ね!」 「お姉様からバトルファッション取り除いたら……わたしに似るんじゃないでしょうか」 「おおー! それは楽しみ! バスルームに直行! 行きますよ皆さん!」 「ちょ……勝手に決めんなよ! おい、待て! 離せ!」  リームは、まず、赤茶色に染められた髪を、脱色して栗毛色に染められた。そして、内巻きショートボブにするために、カーリーアイロンで形を整え、鏡に向かってみんなが発した言葉がこれ。 「誰?」 「誰? じゃねえよ、あたいだ! これじゃあ、弱っちく見えるんじゃね?」 「それがいいんじゃない。あら、眉毛は描いていたのねー」 「さあさ、甲冑外して外して……」 「おい! あたいを素裸にする気か! やめろ!」 「大丈夫、衣装部屋には商品含め、たくさんのストックが」 「諸君、ナバス・リームちゃんを、衣装部屋に連行だ!」 「ラジャー!」「はいはい」「って! 両腕を持つな! 逃げねえから!」  衣装部屋の中で、リームたちがドタバタガサゴソ音を立てた後、やがて止んだ。 「中に……キャミソールなんて初めて着た……スカート……なんかスースーする……」 「素朴なファッションが、また良し! お姉さん感激!」 「女の子らしくなりましたね、お姉様!」
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