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ビザリナ陸軍とトップ会談
一方、こちらは、商談中のチェルダード長老と、グリシア船長。そして一方、ビザリナ陸軍の女傑准士官、イエラ・ミラルディさん。そして“ラスボス”、カルバ・ラナリット陸軍大佐が、普段リップスに来ない、セント・フェリーナ軍管区の幹部である。あとは、部下を引き連れて、ピッツリー7570滑空式航空母艦内の応接室へとニーナが案内した。
「大佐、こちらです」
「うむ。やあ、チェルダード元大佐、お元気そうで……」
「おお、カルバくんか。久し振りじゃのお……あ、これは、ビザリーニューズ社の社員で、リップスに人材派遣契約されている、船長のジョマ・グリシア。空軍フェリーナ基地で3年の兵役経験がある」
「どうぞよろしくお願いします、ラナリット大佐」
「うむ、うむ」
「では、お掛け下さい」ニーナが着席を勧める。取り巻きの兵士も、別室で控えている。
応接室で、長距離レーザービーム砲を軍から購入しようとする商談が始まった。まず、イエラ・ミラルディ準正規軍総指揮官、陸軍准士官が口火を切った。他の男性たちは、西ビザリナ(バイザル皇国)と、東ビザリナ(ビザリナ共和国)を俯瞰した地図を囲んで腕組みをしていた。
「対するバイザル皇国軍は、地上部隊を増強、首都ジェンツや、アーツウォークなどのウルロア川沿岸に展開、それを、陸軍の空挺部隊と、空軍が空から叩いている、と言ったような状況がここ一~二年は続いています」
カルバ・ラナリット陸軍大尉が、チェルダード元大尉に告げた。
「チェルダード元大尉、本気でレーザービーム砲で、皇国軍とやり合うおつもりか? 止した方が良い、あなたがたのような民兵組織には危険すぎる……荷が重い」
イエラ・ミラルディ準正規軍総指揮官(准士官)が続ける。
「準正規軍を統べる立場から申し上げると、いま首都ジェンツでは、首都特別警察と陸海空軍合同で、バイザル皇国軍の首都侵攻を食い止めているところです」
チェルダードが、切り出した。
「住民に食料や物資は行き渡っておるのかね、正直なところ……」
カルバ・ラナリット陸軍大佐が、少し申し訳なさそうにつぶやく。
「それが、地下シェルターに住民をかくまっているような状態で、まるで戦争被災民のような有様でして……」
グリシアが驚いて聞き返した。
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