第2話 報道記者2名さま、ようこそリップスへ!

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第2話 報道記者2名さま、ようこそリップスへ!

ラルタ・ニーナと、ジョマ・グリシア登場!  ビザリナ第三の都市、メルグヴィッツ市の空港に開いた、リップスの市場。キャラバンのためのキャラバン、ジプシーのためのキャラバン、という物珍しさも手伝って、キャラバンでないお客さんやら、野次馬やらが、ピッツリー7570の滑空式航空母艦を取り囲む。 「はーい、買う方は船尾左側のキャッシャー、売られる方は船尾右側のキャッシャーにどうぞ! 並んで、並んで!」  ナバス・クルクが威勢良く、メガホンで呼びかける。 「リズアーモ産100%小麦、船尾左側で販売中!」  チャタ・ファーナが元気よく、メガホンで呼びかける。 「いまなら、わたしたちが作ったチョコチップクッキーも一緒にプレゼント中!」  その中を、報道カメラマンと報道記者が歩いてルポしている。民間報道機関、ビザリーニューズの男性カメラマン兼ディレクター、名前をジョマ・グリシアという。同じく、ビザリーニューズのルポ記者、ラルタ・ニーナという女性。 「ここではカメラはまずい、引っ込めよう」 「そうね……」 「ん? あの記号に、船体にある、7570の文字……」 「どうかしたの?」 「このキャラバン、名前をリップスとか言ったな……」 「ええ」 「武装解除はしているけど、こいつはごつい陸軍のバトルシップ……民間の船じゃない」 「おや? 早速何かかぎつけたわね。一体どんな嗅覚?」 「いや、兵役のとき、空軍に3年いたんで、かじったことはあるんだが……」 「ふうーん。まあ、それは置いといて、キャラバンでお茶しない?」 「勤務中なので、気が引けるが……お、かぐわしいコーヒーの薫り!」 「私はお腹が空いたんで、サブサンドとジャスミンティを……ちょっと、そこのお嬢さん?」 「はい、いらっしゃいませ、ご注文はお決まりでしょうか?」  レマーユが続ける。そんなレマーユの修道服を見て、ジョマ・グリシアが、また何かをかぎつけた。 (おかしい……ビザリナ国教会の修道女ならば、修道院にいなければならないはず。どうして一般のキャラバンに……むむう……) 「……たは?」 「はいっ?」 「あんたは注文何にするかを訊いてるの。女の子に見とれてたとあっちゃ、殺すわよ!」 「べ、べべべべべつに、何でもありません、ニーナさん!」 「なら、早く注文!」
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