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白い部屋で、私は佑都と対峙する。
好きで好きでたまらない人。でも、彼にとってはそうじゃなかったのかも知れない。
「君は、知らなくていいよ。」
そう、彼に突き放される。全く嬉しくない。むしろ、悲しいし、寂しいよ。嫌だ、知りたいと叫びたいのに、身体は動かない。
次の瞬間、重力を感じ、私はその下へと落下した。
「っ…?」
目を開けると、そこは白い部屋ではなかった。カーテンの隙間から入る朝日、鳴り止まない目覚まし時計。見上げると、隣に普段使っているベッドがあった。…さっきの落下は現実のことだったのか。
ぽたり。床に座り込んでぼんやりとしていると頬に冷たい感覚がした。手にも同じ感覚。
あぁ、いやだなぁ。突き放した君も、突き放されたのにまだ、君を好いている私も。
君の告白から3年。君はどこにもいない。もう、2年以上になる。それでも私はまだ、君への想いとあの日の告白に囚われているんだ。
願わくば、彼の語った私への想いだけは、真実でありますように。
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