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「朋美には身体の事は話さず、少しカッコつけました。妻には僕公認で付き合っている男性がいると。実際今増えてるみたいですしね。セカンドパートナー」 「そうみたいですね」 「でもうちの場合は少し違います。プラトニックではなく、妻はお付き合いしてる男性と関係を持っています」  胸が締め付けられる。身体の問題があるとはいえ、納得するまでどの位悩んだのだろう。淡々と話すその口ぶりからは察する事ができない。  そしてこれが、奥さんに対する住岡さんの愛という事なの……? 「だから、まぁ、優花さんとの間にも、心配してるような事は起こらないって事です。疲れてるでしょうし、今日はもう休みますか」 「……はい」  私は何とも言えないわだかまりを秘めたまま、部屋を後にした。  来客用の布団を借りて、リビングの電気を消す。ケイタイを開くと、雅史さんからの着信もメールもなかった。  大きく溜息をつく。  そんな程度だったのかな。私達の五年間って。  闇の中にいると否が応にも今までの出来事が脳裏に再生される。雅史さんの表情、言葉、そして彼女の手紙、LINEの内容。泣くのは嫌なのに、こらえることができない。  嗚咽が漏れる。苦しい。死んでしまいたいくらい苦しい。そして、惨めな気持ちで一杯になる。私は雅史さんにとって都合のいい妻でしかなかったという事が、とてつもなく惨めで情けない。     
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