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 ――離婚して自分の人生をやり直したい。  その夜、私は静かにそう決心した。    カーテンから光が漏れているのを見て朝だと認識する。今日も暑そうだ。なんて思っていると。  フライパンで何かを焼いている音が聞こえてきた。  慌てて飛び起きキッチンへ行くと、住岡さんと、奥さんであろう女性が朝食の準備をしている。すると私の存在に気がつき、微笑を向けた。 「おはようございます」  その華やかさに尻込みする。 「お、おはようございます。瀧島優花と申します、あの、ご主人には大変お世話になりました!本当に感謝しています」  そう言って勢いよく頭を下げた。 「菜々子です。どうぞ、座って。すぐ朝ごはんできますから」  その声は柔らかく、胸まで伸びている長い髪は綺麗に巻かれ、メイクは薄付きながらもとても美しい。そして、ネイビーのシフォンブラウスが、菜々子さんの品の良さを更に際立たせていた。  白いワイシャツにエプロン姿の住岡さんは、慣れた手つきで朝食の準備を手伝っている。私も何かしなきゃと戸惑っているうちに、あっという間に食卓は整った。  おずおずと席につく。これも菜々子さんのデザインだろうか、華やかな食器に盛り付けられる料理の数々はホテルの朝食のようだった。     
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