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「うん。まず、そんなひどい旦那さんと揉めずに離婚できて良かったってのと、すぐに帰れる実家があって良かったって事、仕事だってしてたら面倒だよ? もちろん子供がいたら生活の不安は今の何倍もあっただろうし。そういう人周りにいるからさ、何となくわかるつもり」  そう言われたら妙に納得してしまう。 「考え方次第って事……?」 「そうだよ。第二の人生スタートするチャンス」 「第二の人生」 「うん。それに健太郎君がいるじゃん」  ドキッとした。脳裏にあの柔らかな笑みを携えた姿が現れた。でも、待って、違う。 「住岡さんとはそんなんじゃない。表面上だけの付き合いなんだから。お金貰ってるんだし」 「まぁそうだけど……一人でいるよりは気は紛れるんじゃない?」 「……わからない」  今後、私の中で住岡さんの存在がどのように変化していくのか、わからないという意味だった。 「確認したいんだけどさ、優花は健太郎君の事好き?」  直球の質問に一瞬動揺する。 「いい人だと思うけど、それだけ」 「恋愛感情はないのね?」  朋美は念を押すように確かめる。 「うん」 「そっか。ならいいけど。ちょっと心配で聞いただけ。あれだけの愛妻家なら、優花に気持ちが向く事はないと思う……だから本気で好きになったら、お金を貰って割りきって付き合う事が、辛くなるんじゃないかと思ったんだよね」 「大丈夫だよ」     
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