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睡魔に襲われながらも何とか歯磨きを終え、布団に入りケイタイを見ると、雅史さんから一通のメールが来ていた。
「今日で辞めるヤツの送別会してる、今日は店に泊まる」
送別会。
とりあえず理由がわかったので安心して、すぐに瞼を閉じた。
六時。アラームを止め、寝ぼけ眼で隣を見ると、雅史さんの姿があった。
良かった。おかえり。小さく呟く。ひとまず無事に帰って来たことに安堵する。
帰宅してそのまま寝てしまったんだろう、ジャケットだけ床に脱ぎ捨ててあり、右手にスマホを握りしめたまま掛布団の上にドサッと倒れた形になっている。
今日はさすがに朝食は食べないかもしれないと思ったけれど、とりあえず起きて、上から私の布団を掛けた。反応はなく、爆睡している。
起こさないようにパジャマから洋服に着替え、とりあえず簡単な朝食を用意しておこうとキッチンに立つ。
七時になり、再び寝室に行って、声を掛ける。
「雅史さん、起きる?それともギリギリまで寝る?」と声を掛けながら軽く揺する。
「ごはんいらないとしても、シャワーは浴びたほうがいいでしょ」
すると寝返りを打って、仰向けになり、その勢いでスマホが右手から飛び出し、同時にLINEの通知音が鳴った。
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