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「ねぇ」
野菜を炒めながら彼女が聞いた。
「なんだい」
ステーキに塩を振りながら彼が答えた。
「もし海が女神の涙でできていたらどうする?」
「それはとてもロマンチックだね」
「じゃあ、巨人の汗でできていたら?」
「どんなスポーツをしているのか気になるね」
まるで現実味のない話は、画面の向こうならば笑えたのだけれど。
― ジュッ
『いただきます』
さっきの塩の瓶に"天日塩"と書いてなければ、楽しい話だったのだけれど。
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