3人が本棚に入れています
本棚に追加
そしてある日、彼女は体調を崩す。
高熱にうなされ学校を休み、鈍い感覚のまま数日が経過した。
彼からはSNSを通じたメッセージが一度だけ送られたが、無視するとそれ以降来ることはなかった。
体調も回復し、明日には学校に行けるだろう。
するとその日の夜、母親が一冊の真新しいノートを渡してきた。
「これ、なに?」
母親は家事をしながら答える。
「クラスの男の子が今日持ってきたのよ。心配してたわよ?」
彼女はすぐに分かった。彼だと。
部屋に戻り、ノートの中を見てみる。
そこには、彼女が休んでいる間にあった授業内容が、事細かに、そして分かりやすく書いてあった。
「……あいつ、暇人過ぎ……」
そう呟きながらページを捲ると、最後のページに、授業内容とは違う言葉が記されていた。
最初のコメントを投稿しよう!