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③
翌日、学校に来た彼女に、彼は変わらない笑顔を見せてきた。
その笑顔が、容赦なく彼女の心を締め付ける。
そして放課後、彼を誰もいない教室に呼び出し、告げた。
「――もう別れて」
「え……?」
彼は驚き、不安げに彼女を見る。
「だから、別れてよ。昨日家に来たんでしょ? そういうことされると、ほんと迷惑なの」
「え……で、でも……」
「そもそも、私、あんたのこと好きでもないから。だから、別れて」
「……そう、なんだ……」
彼は顔を伏せ、両手を強く握り締めていた。
彼女は目のやり場に困り、早くこの時間が過ぎ去ることだけを願っていた。
やがて、彼は顔を上げる。
「……分かった。今までありがとう。楽しかったよ……」
震える声でそう話した彼の表情は、最後まで笑顔だった。とても不器用で、必死に何かに耐えるような、痛々しい笑顔。そして彼は、そのまま教室を後にした。
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