episode231 依存の正体

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「もう結構。たくさんだ」 九条さんは優秀な英語教師みたいに 両手を上げてストップの合図をかける。 「今夜、依存症患者の為の集団セラピーを予約した」 「集団セラピーだって?」 「そう。それに行くんだ」 「俺が?」 「ああ。君が」 まさに寝耳に水という顔つきで 「ふざけるな!焦点の合わない依存症患者の中に混ざって『ハーイ、僕はアルコール依存症です』なんてやるわけか?この俺が?」 プライドの高い王様はもちろん提案をつっぱねる。 だけど――。 「いや、行くんだ。でなきゃ君が薄井千尋にした事、僕は警察に通報する」 普段は柔和なお義兄様も 今回ばかりは引かなかった。
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