episode231 依存の正体

16/29
前へ
/30ページ
次へ
「そこまで言うなら分かった」 まさか。 あの王様が素直に折れたと思ったのも束の間。 「ただし一つ条件がある」 悠々と立ち上がり示したその条件とは――。 「こいつも一緒にセラピーを受けさせろ」 「へ?!」 僕の耳がおかしくなったのでなきゃ 征司は僕を指さしそう言った。 「……どうして僕が?」 「どうしてって依存症のパーティーなんだろ?」 言葉尻を飲み込むように 挑発的な口元が笑う。 「おまえも立派な依存症だからさ――」 誘い込む大きな手が 神より僕を愛する男の前で 「おまえは俺依存症だ」 僕を抱き寄せ食らいつく様に頬に口づける。
/30ページ

最初のコメントを投稿しよう!

113人が本棚に入れています
本棚に追加