episode231 依存の正体

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違うも何も――。 僕に聞いているのだろうか? それとも征司に? 話が的を得ているだけに 安易に口を開けない。 九条さんは円の外から 驚きと困惑の混じった正直な顔をして じっと僕を見つめていた。 心理女史が言うところの 僕が特別な信頼関係を築いた人。 「私が思うにアルコール依存は――弟への依存心の隠れ蓑なんじゃないかしら?違う?」 違うか否か聞き返すのが どうやら彼女の癖らしかった。 「本当のところはあなたの方が弟さんに執着していて、もっとべったり依存したいのにそれができない。だからお酒に逃げているのよ。違う?」 グレーゾーンを残して生きてきた僕らにとっては それはそれは悪い癖だ。
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