episode231 依存の正体

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「――手遅れです」 「征司くん、待って……!」 慌てて制止する義兄の腕を振り切って 征司は部屋を出て行った。 アルコール依存症で 僕依存症のお兄様――。 僕? 僕はもちろん後を追おうとしたさ。 後追いは僕の得意分野だし。 今回に限っては――あの人が助けを必要としている。 そんな気がしたから。 だけど 「今行ってはダメ」 「でも……」 「彼がもっとダメになってしまうわよ」 現実を告げる冷静な心理女史の言葉で なんとかその場に踏みとどまっていた。 (どうすれば……?) で――。 普段使わない頭を 必死に働かせるとどうなるかって?
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