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「杏佳さんも緊張する事は多いと思うけれど少しずつ慣れていけばいいからね」
ボーッ
ツン 「えっ?」
「あっ はい」
「私達がいるから緊張しているのよね」
「いえ そんな事は・・・」
「少し2人で外の空気を吸って来ます」
「・・・」
ツン
「は はい」
先に席を立ったのは泰嗣さんの方
背が高い そしてどう見ても高価そうなスーツ
着物で足がもたつきながらもコンパスの長さの違いを思い知らされつつ急いで歩いた
庭園の中を歩く彼をゆっくりと観察しながら歩いていたら
スーッ 私に向かって手が伸びてきた
(何?)
「手を貸そうか?」
やっとの思いで追いついて差し伸べられた手に手を重ねようとしたら
「これから人前では距離を開けないように歩いて欲しい 。うちの家族はいつでもどこでも何をしても噂になるから」
「・・・」
「少し離れて歩いた次の日には離婚の危機って事になるから 今後は気をつけて」
(優しいかと思ったら・・・諸注意?!あり得ない)
「そんなに 僕の顔は珍しいかな?」
「いいえ」
「さっきも何度かジッと見ていたけど」
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